枠と境界線

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 関わるのは一度きりにして、もうこんな状況にならないようにと、対策を考えねばならない。 事情を聞いても、ぼくには正直、心理が理解出来なかったけれど。 ◆◇ 『あいつ』のことは誰にも言わないという約束を取り付けて、気乗りしないだろうなあと思いつつ、まずは連絡を取ってみると、案の定「やだ」だった。 『そんなの、どーしろってんだよぉ。だいたい、知らないし。話してみたいって、何を? わけわかんない。趣味とか言っちゃう? ドン引き確定じゃん。っていうかさー、歩きながら電話してないよね?』  遠くからコトコトと、なんだか癒されるような、鍋の音が聞こえた。 c988f0df-3991-408b-9d02-ec0b66fea2f2
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