0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あら、太郎さん。ごきげんよう」
「あぁ、キミか」
この子――金髪碧眼の美少女は、毎朝僕の姿を認める度に執拗に話しかけてくる。可愛いから許されると言うやつだ。
「つれないお方ね……でも、そんな貴方だから気になってしまうのかもしれないわ」
「僕のことが気になる?ははっ、冗談はよしてくれよ。僕はそんな大層な人間じゃないさ」
「いえ、太郎さんは――っ、」
彼女は何かを言いかけていたが、しかし突然高校の校舎内からたくさんの女子生徒が溢れ出した!
「「太郎さん、わたくしと一緒に踊りましょう!」」
「は、いや、えっ?なんで?」
「今宵は鹿鳴館で《だんすぱぁてぃ》ですのよ。――さぁ、太郎さん。どうか私の手をお取りくださいませ」
普通は逆だろう、と思いつつも「喜んで」と答えた。
――今宵はダンスパーティだ。
最初のコメントを投稿しよう!