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目が覚めて、カーテンを開けると、窓の外は一面の雪景色だった。遅く起きた朝の光はとっくに高く昇っていた。
雪に反射した陽の光がやけに眩しく見え、私は思わず目を細めた。
フーと深く息を吐き出し、レースのカーテンを閉めるといくらか日差しは柔らかくなった。
この景色が私を憂鬱にさせるのはいったい、いつの頃からだったのだろう。
そう、私は雪が…いやこの季節が大嫌いだった。
そして、さらに今日はクリスマスイブ。
世の中は、恋人達の聖夜とやらで盛り上がっているが、そんなものはクソ食らえだ。
寝起きの乾いた喉を潤したかったが、そんなことも億劫になり、私はまたベッドに戻り頭から布団を被った。
布団の中でもう一度、深く息をつく。
そうだ…。
また一年に一度の、私の最も憂鬱な日がやってきたのだ。
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