snow flake

2/13
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
目が覚めて、カーテンを開けると、窓の外は一面の雪景色だった。遅く起きた朝の光はとっくに高く昇っていた。 雪に反射した陽の光がやけに眩しく見え、私は思わず目を細めた。 フーと深く息を吐き出し、レースのカーテンを閉めるといくらか日差しは柔らかくなった。 この景色が私を憂鬱にさせるのはいったい、いつの頃からだったのだろう。 そう、私は雪が…いやこの季節が大嫌いだった。 そして、さらに今日はクリスマスイブ。 世の中は、恋人達の聖夜とやらで盛り上がっているが、そんなものはクソ食らえだ。 寝起きの乾いた喉を潤したかったが、そんなことも億劫になり、私はまたベッドに戻り頭から布団を被った。 布団の中でもう一度、深く息をつく。 そうだ…。 また一年に一度の、私の最も憂鬱な日がやってきたのだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!