snow flake

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私には、5年前から付き合っている彼氏がいる。 友達の紹介だったが、ワイン好きという共通の趣味ですぐに意気投合した。 二人でいろんなお店を食べ歩いたり、掘り出し物のワインを見つけては、二人で作った料理と一緒に飲んだりして、楽しい時間を過ごした。 結婚を考えたこともあった。こんなに気の合う相手にはもう巡り会えないとさえ思った。 けれど、ただひとつ…。 彼は、大手食品メーカーに勤めるサラリーマンだったので、12月ともなると、毎日残業続きで、まともに会うことさえ叶わなかった。 もちろん聖なるクリスマスを二人で過ごすなど、到底無理なことだった。 最初の2年は、彼も気を使ってデートの約束をしてくれていたが、もちろんそんな約束は守られるはずも無く…。 結果険悪なムードのまま、ただ季節をやり過ごすことになっていった。 3年目からは、私も無駄な努力はすまいと、一切約束する事をしなくなった。 そんな私を見て、彼もいつの間にかその話題には触れなくなった。 その時期だけを我慢すればいいだけの話かもしれない。 だけど、どんなに満たされていても、たったひとつの譲れないものが誰にだってあるはずだ。 私にとってはまさに、このクリスマスイブ…。 私を憂鬱にさせるこの季節、そして今日という日。 彼となら、きっと楽しいクリスマスを過ごすことが出来るかもしれない…。 私の憂鬱を吹き飛ばしてくれるかもしれない…。 そう思っていたのに…。 ただそれだけを願うのが、そんなにいけないことなのだろうか…。 でも、そんな風に思い悩むのも今日で終わり…。 今日こそ、決着を付けるのだ。 毛布の端をギュッと握って、私は唇を固く結んだ。
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