タマとアタシ

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と言って新居にタマをつれていったが、最初の数時間はいきなりの環境の変化に戸惑い、「ニャー!ニャー!」と泣き続けていたが、引越しの荷物を解いているうち、ふと見ると私の座椅子で丸くなって眠っていた。 順応性の高い奴でよかったよ(笑) 私や主人が仕事から帰ってくると、タマはやはり「ニャーニャー」と騒いで駆け寄って来る。 それがなんとも可愛くて、いじらしかった。 と言ってもタマ自身は「腹減ったあ!早くご飯にしてーー!!」と言っているのは 明白だったけどね(^_^;) 猫は子猫のうちならともかく、年齢が重なってくると食べるか寝るかしかしないが、タマもそうだった。 私は肉球を指先でプニプニと押すのが好きな、いわゆる肉球フェチだ(笑) タマが寝ているときなど、チャンスとばかりに肉球をプニプニする。 するとタマは嫌そうな顔をし、それでも私が止めないと噛み付いて反撃してきた。 お陰で私の腕などはミミズ腫れが絶えなかった。…自業自得だ。 そんなふうに楽しく過ごしていても、時々ふっと不安になった。 元ノラだからタマの本当の年齢がわからない。 後、どれくらい一緒にいられるんだろう――と。 ペットを飼うと必ず経験する別れ。 小学生の頃から文鳥を飼育してきたから、幾度となく別れは経験してきたけれど こればっかりは慣れるというものではない。 そのときの私は、もうタマのいない生活など考えたくもなかった。     
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