死神

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死神

これは、私の主人が幼い頃に見た話です。 誰も信じてくれないけど、本当に見たのだと言ってました。 小学生の時、寝ていたら夜中に目が覚めたそうです。 枕にしていた側が障子だったそうで、目を開けると天狗の様な顔が、障子を突き破って部屋をキョロキョロ見渡して居たと……。 驚きのあまり、固まってしまったそうです。 幸い、目を合わす事は無かったものの怖くて朝まで眠れなかったと。 目を瞑って寝ようと思ったけれど、無理で結局、朝になり急いで両親の元へ行ったそうです。 すると、母親が 「昨夜、隣のお婆さん亡くなったのよ」 と言ったそうです。 主人は、「あれは死神だったに違いない!」と言ってました。 私は 「死神も家、間違えるんだね」 と、言ってしまいました。 障子は、破れていなかったそうです。
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