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深夜の親子
私が最愛の主人を突然亡くし、気持ちが最悪に落ち込んで居た時です。
深夜、仕事を終えアパートの駐車場へ車を停めて妹と携帯で話をしていました。
(この時、車は駐車場に頭から入れていた)
車のエンジンを切り、車内で妹と
「体調大丈夫?」
と聞かれ
「まぁね。
まだ仕事はしてるから。でも、やっぱり気持ちが落ち込んでダメだね……。
仕事してる時は気が紛れるから良いんだけど……」
「そっか……。
あまり無理しないでよ」
携帯を片手に会話して、何気に車内のルームミラーを見ました。
ん?
誰だろ?
隣の社宅に住んでる親子かな?
でも……。
夜中だけど……?
こんな時間に親子?
妹は、怖がりなので伝えずに喋ってました。
私は電話しながら車内から後ろを振り返りましたが、肉眼だと居ないんです。
???
サイドミラーを見てみました。
居る!
父親と小学校3、4年生位?の男の子が遊んでいるんです。
父親が、男の子の背後から両手を取り高く上げたり下ろしたりして楽しそうに遊んでいました。
不思議ですね。
ハッキリ見えて、心の中では
「幽霊」だ。
って分かってるのに、何も怖く無いんです。
舗装されていないけれど、道の真ん中で街灯の下で同じ遊びを、ずっと繰り返している親子。
妹と電話を切り、暫くルームミラーで見てました。
楽しそう……。
もしかしたら、生前あの場所で遊んでいたのかも知れないな……。
私は車を降りて、道を見ると見えませんでした。
どうして肉眼では見えないのだろう?
なんて疑問に思いながら、自分のアパートへ入りました。
霊媒師になった女友達が言ってましたが『波長が合うと見え易い』らしいです。
事実かどうかは不明ですが……。
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