金縛り

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金縛り

中学に入った年の夏。 2階建ての借家に引っ越しました。 前に誰が住んで居たのかも知りませんが、2階は私と妹の部屋になり、襖を閉めてカーテンで仕切り隣が妹の部屋です。 原因は不明ですが、私は毎晩金縛りにあうようになりました。 その夜も、深夜になると目が覚めて足元から徐々に上半身が重くなってくるんです。 きた! また、金縛りだ。 毎晩だったので慣れて来てしまっている自分がいました。 何か見ちゃうかな? と、好奇心旺盛な年頃でしたが何も見えません。 ただ、金縛りにかかると必ず 1階で母親と一緒に寝ているはずの愛猫が階段を掛け上がって来て、私の部屋に入ってくるんです。 そして、部屋の角に置いてある椅子の下にジッと丸まって私の方を見ると金縛りが解ける。 そんな毎晩でした。 流石に、可笑しいと思い母親に言いました。
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