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事故の時間
私が17歳の時、夜に自宅を抜け出して男友達に車で迎えに来てもらい
海へドライブに向かっていた時。
もう直ぐ夜の海に着く頃。
運転していた男友達が突然
「うわ!後ろに誰か乗ってるぞ!」
と、叫んだので
私は、後部座席を振り返りました。
「何、言ってるの?誰も居ないけど?」
「ルームミラーに男が乗ってたんだよ!」
「だから居ないってば」
「ヤバい!こえー!帰ろう!」
「えー!帰るの?もう海に着くのに?」
男友達はビビってしまい、渋々了承し自宅迄、送ってもらい帰りました。
もう!なんなんだよ。
と、思いながらも、その夜は寝ました。
朝になり母親が
「嫌だわ」
と言ったので
「どうしたの?」
と聞くと
「また、うちの前で事故があったのよ」
「また?!本当、うちの前って事故多いね」
「でも……。気の毒よ」
「え?もしかして亡くなったとか?」
「そうなの。
昨日の夜に救急車が来て、近所が騒がしくてね……。バイクの男の人が運ばれたらしいんだけど亡くなったって」
「それ、何時頃の事?」
「夜の9時半頃だったかしら?
何か避けようとしたみたいで、転倒して何メートル滑った感じよ?道路に跡が……」
9時半?
私は、外に出て表の道路を見に行った。
ドス黒い血痕が10メートル位だったか、帯の様に残っていた。
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