星無しと見なされた者

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「オリヴィエ、俺はお前がいないと何もできないな  お前が残してくれた息子1人すらも守れそうにない……」 ベッドにオリヴィエを寝かせ、その隣りに腰を掛けると頭を撫でながら愛おしそうにつぶやく。 その顔は外部どころか身内でもオリヴィエ以外には絶対に見せない、脆く儚く今にも崩れてしまいそうな悲しい顔をしていた。 「でもなオリヴィエ、俺もただで引き下がるつもりはない。  こんなやり方はお前に怒られてしまうかもしれないが、今の俺にはこれしか方法が  思いつかないんだ。許してくれ……」 ノックスはオリヴィエに軽く口付けをすると急ぎ足で寝室から書斎に向かう。 その顔には、一切の迷いはなくタンジェ家当主の風格と威厳が漂っていた。 書斎に到着すると4人の使用人が集まっていた。 先ほど、双子を抱いていた執事とメイド、そして若いメイドが2人だった。 「よく集まってくれたな。今から起きることは他言無用で頼む。  まず今日産まれた俺とオリヴィエの子だが、男の子が『星無し』だということが  わかった。  おそらくこのまま父上に知られてしまうと、殺される可能性が大きい。  というより、間違いなく殺されるだろう……」 使用人たちは、『星無し』の部分に驚くことはあっても、最後の言葉にはあまり驚く様子はなかった。 なぜなら、ノックスの父である前当主はそれだけ力を重視していて、タンジェ家と言うブランドを重んじていることを理解しているからだ。
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