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ドラゴンは地面に直撃して、大きなクレーターが出来るがこの程度では死なない。
無駄な殺生はしない。おそらく、この老婆のポリシーなのだろう。
「おやおや、今日は珍しいことが何回もおきるの~」
ドラゴンを気絶させて、再度悠々と歩き始めた老婆の行く手には、明らかに人工物の籠のようなものが置かれている。
「ここに落とし物など、本当に珍しい
しかも、こんなに厳重に防衛壁を展開しおって」
老婆は、防御壁をいとも簡単に解除すると籠のカバーを開けて中を覗く。
中には、一通の手紙と可愛らしく眠っている男の子の赤子が入っていた。
「おばあちゃん!ちょうど良かった!
この辺りに落下物の反応があったんだけど
何か見なかっ……
って、その籠がそうみたいだね」
手紙を読んでいると、まだ若干の幼さを残す少女が猛スピードで駆け寄ってきた。
その少女はどこか老婆と似た雰囲気を持っている。
『おばあちゃん』と呼んでいたことから、おそらく血縁者なのだろう。
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