プロローグ

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しかし、そこで1人の星術師が反旗を翻した。 その星術師は凍えるような冷たい火を灯し、水のように優雅に大地を泳いでみせたのだ。 それは神々しく、でも禍々しい。まるでこの世のものではないような光景だった。 更には、星に宿る意思を召喚し、具現化することまで可能にしたのだ。 その星術師を『始祖の星術師』と呼んだ 魔術師たちは戦慄した。 魔力を駆使した魔術は火は熱いし、氷は冷たい。そんな当たり前の事象を発生させる。 対して星力を駆使した星術はイメージした事象を発生させるというものだったのだ。 その星術師は12人の弟子を集め、その弟子たちに星術の本質を伝承した。 始祖の星術師とその弟子は、各地で奴隷とされている星術師を解放していった。 それを見かねた最強と謳われていた魔術師も12人の臣下を都市部に集結させて、 星術師を迎え撃つ準備を進めた。 そして星術師の軍団はついに都市部の解放に踏み込んだ。 迎え撃つ準備をしていた魔術師と、解放に向けて意思の固い星術師はすぐに衝突した。 荒れ果てた森林、陥没した大地、押し寄せる大波。 世界はまさに終焉を迎えているようだった。 周りには12人のずつの弟子と臣下が倒れ、最後に残ったのは最強の魔術師と始祖の星術師だった。 「お前ら、星術師など魔術師の前では無力ぞ!」 「私たちはただ星術師を認めてほしいと言っているだけだ!  昔のように助け合って共存しよう!」     
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