プロローグ

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必死に呼び掛ける星術師だが、魔術師の耳には全く届いていない。 星術師が呼び掛けている間も、問答無用で攻撃を仕掛け続ける。 激しい攻防でお互いに疲弊しきっている。 二人は言葉にしないものの、これが最後の攻撃になることを感じていた。 「吹き飛べ星術師!〈雷神の憤怒!〉」 「くっ、召喚!〈へびつかい座-ペイン〉!」 魔術師の突き出した右手からは、神々しい黄金に輝く雷が放出される。 それに応戦するように星術師は蛇を身体に巻き付けた青年を召喚した。 その青年と星術師は両腕を大蛇に変化させて雷を迎え撃った。 4本の大蛇が瞬く間に雷を飲み込んでいき、魔術師の捕縛に成功した ついに解放戦線に終止符が打たれたのだ。 しかし、この解放戦線で星術師、魔術師ともにたくさんの犠牲が出てしまった。 そして二者の間には埋まらない溝ができてしまった。 それを見かねた神は世界を二分化したという。 地上には星術師を、地底には魔術師を住まわせた。 これが後々まで語り継がれる『星魔戦争』というものだった。
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