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ここは世界三大ギルドの一角、『神聖なる仙境』の総支配人室である。
神聖なる仙境は十条家が管理、運営しているギルドで総支配人、所謂最高責任者は十条家の人間が担っている。
現在の総支配人は十条琉威、つまり翠と煌の父親だ。
普段は白衣に黒縁メガネと明らかに研究者の装いをしている。
しかし、1週間に1度くらいの頻度でギルドへ訪れる際は、純白のローブに身を包み金縁のメガネを掛ける。
その姿にはギャップがありすぎて、見慣れなければ同一人物とは認識できないほどである。
「煌がここに来るのは初めてだったね。改めて、神聖なる仙境へ、ようこそ。」
大きな机と椅子に座る琉威、その前には質素なデザインながらも質の良さが垣間見える二人掛けのソファが4つ。
天守がある城と言う外見からは想像し難い雰囲気の室内だ。
ちなみに、この部屋だけではなくこの建物の中は基本的に似たようなデザインとなっている。
「ここって世界三大ギルドなんだよね。俺なんかが登録しちゃって大丈夫なの?」
ふかふかのソファに座り、上機嫌の様子の煌だが、世界三大ギルドと言う肩書に遠慮がちな様子を見せる。
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