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「それでは、本日の主役である『煌星』に登場していただきましょう。
それでは、こちらへどうぞ」
城内から紫色のローブで身を覆った人物が、少し気怠そうに目を擦りながら出てきた。
登場と同時に群衆は大きく温かな拍手でその人物を迎えた。
翠はその人物が隣に立ったことを確認すると、なにか耳打ちをして城内へと姿を消す。
紫色のローブを身に纏った人物が展望台に立ち、周囲を見渡すと群衆は
自然に拍手を止めて、展望台に立つ人物に注目していた。
(うわーすっげぇ集まってるじゃん。だれも好き好んで世界公認の人外に
なったわけじゃないんだけどな……
ってか、何話せばいいのさ。人外認定されましたイェーイとか言えと?
『真面目に話しなさいよ? 』とか真っ黒な笑みを浮かべて言われても、
この式典自体ネタだと思うのは俺だけかな)
当の本人がこのようなことを考えているとは
いざ知らず、群衆は固唾を飲んで第一声を待ち構えている。
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