湖底に燈《とも》る仄《ほの》かな灯《あか》り

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群馬県みどり市東町,かつては群馬県勢多郡東村という地名だったが2006年(平成18年)に,勢多郡東村,新田郡笠懸町,山田郡大間々町の3郡が合併し,現在のみどり市となった。 そんな東村(あずまむら)がまだ足尾銅山と採石業で裕福だった時代(ころ),国による足尾銅山鉱毒防止をはじめ洪水調節,上水道供給,水力発電などを目的に草木(くさき)ダムの建設が1967年(昭和42年)に始まった。当時はまだ「わたらせ渓谷鐵道」は国鉄足尾線で,草木ダムも神戸(ごうど)ダムと呼ばれていた。 ダム建設による水没対象だった地域は東村のなかでも比較的裕福だったこともあり,草木ダムの建設は反対運動によって大幅に遅れた。それでも国が推進する超大型事業であったこともあり,さまざまな力が働き,ダムの建設は遅れはしたものの誰にも止められることなく1977年(昭和52年)に完成された。 そして当時そこに暮らしていた230戸の住宅や神社,学校,病院や公共施設などがそのままダムの底に沈められた。
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