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一方、イヴェアリス構内……
「イ、イヴェアリス、崩壊します!」
エイプリルが悲鳴に近い声で状況を伝える!
「ザンザス、エンジン出力全開!イヴェアリスを脱出する!」
手に汗を握りながら指揮をとるアレッグ。
崩壊するイヴェアリスの港内を脱出すべく、緊急発進するザンザス。
「ヴァイル!」
ザンザスの甲板側面から、ハンガー付近まで移動したオヤっさんが、ヴァイルを心配して無線で呼び掛ける。
イヴェアリスは、散々空気を放出し、それが終わると自身の形を崩しながら、軌道をずらし始めた。
イヴェアリス自身が、形を崩しながら火星に向かって落下し始めたのだ。
悲鳴にも似た金属音を立てながら、傾いてゆくイヴェアリス。
壁にたどり着いたヴァイルは、壁に引っ掛かってる命綱を外すと、無重力の中、マリアの乗るライドウェアに向かって翔んだ。
……今、エイプリルには、ライドウェアを管制運転する余裕などないハズだ……
「エイプリル!操縦をこっちに渡してくれ!」
そう言うと同時に、ヴァイルは、ライドウェアの胸部にある取手に捕まった。
「おい! 聞こえるか! 今度はあんたがライドウェアを動かす番だ!」
A.R.M.Sは、あくまで戦闘作戦遂行が出来るだけであって、もともと完全なオートパイロット用ではない。
つまり、A.R.M.Sに任せていてはイヴェアリスから脱出できないのだ。
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