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「ふうっ…、お、驚かせやがって……」
ヴァイルはため息をついた。
そして、マリア達のライドウェアが、開口部から宇宙へ飛び出すと同時に、イヴェアリスは、破片を撒き散らしながら、ゆっくりと二つに折れ曲がり始める。
その様子にヴァイルは声も出なかった。
あと数秒遅かったら……
「エ、エイプリル! ザンザスは?」
「ヴァイル中尉、ザンザスも輸送船も無事です」
エイプリルの声だ!
再び、胸を撫で下ろすヴァイル。
「オレも無事だぜ! まさかデッキの上でこんなスリリングな出港を味わうとは思わなかったが!」
オヤっさんだ。
「エイプリル、ヴァイルは無事なのか?」
アレッグがエイプリルに訊ねる。
「はい! ライドウェアも無事です!」
エイプリルは、涙目で笑みをこぼしながら報告した。
「それでは、ライドウェアを回収します! 管制モードに移行しますので、操縦桿から手を離してください。 あ、ヴァイル中尉は手を離さないで下さいね」
エイプリルは高揚した声で伝える。
「んなもん、言われなくても判る……」
ヴァイルは小声で答えた。
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