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君島律子は重ねて「ねえ、おかしくない?」と言った。
神城も次第に鬱陶しくなってきたらしく「だから、何がそんなにおかしいのよ」ときつく言った。
そんな憤る神城に君島さんはこう言った。
「だったら、次の休み時間の彼女を見てみなさいよ」
そう言って君島さんは立ち去った。
その後ろ姿を見送りながら神城は「全く、何なのかしら?」と愚痴った。
僕は「まあまあ」と神城をなだめて「君島さんの言う通り、次の休み時間の彼女たちを見たらいいじゃないか」と言った。
「そうね」と神城は言い残し、自分の席に戻った。
授業中、伊澄瑠璃子は後ろ姿しか見えない。
だが、そんな彼女の背中を見ているだけで、僕の中にある種の感情が生まれる。
もっと彼女を知りたい。見たい・・
そんな感情とは別に理性も働く。
伊澄瑠璃子は危険だ。あの屋敷内の行動もおかしかったし、言動も不気味極まりない。
そして、一連の出来事に彼女が絡んでいる。
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