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そんな思いで君島を見ていると、僕の前に神城と佐々木が現れた。
「ねえ。屑木くん、奈々と三人で校庭に行きましょ」
三人で弁当だな。
僕は承知して弁当箱持参で神城、佐々木と3人で校庭を見下ろす階段に腰かけた。
5月らしい青空が広がっている。
この三人でいるのも次第に慣れ、居心地も良くなっている。
ある種の吊り橋効果かもしれないな・・この三人で怖い思いをしたのだから。
そんなことを思っていると、さっそく神城が話を切り出した。
「君島さんの言っている意味がわかったわよ」
「涼子ちゃん・・私も気づいてましたよ」と好奇心旺盛な佐々木奈々が言った。
「なんのことだ? 僕もずっと見ていたけれど、何も変わったところはなかったぞ」
「もうッ、屑木くんは伊澄さんの姿ばかり追いかけていたでしょ」そう神城がきつく言った。
「そうじゃないのか?」
そう言った僕に神城は、
「休み時間ごとに、伊澄さんの周りの女が変わっているのよ」と説明した。
佐々木奈々が「そうなんですよ。変ですよ」と同調した。
休み時間ごとに、伊澄瑠璃子の取り巻きの女子が変わっている・・それはおかしいことなのか。
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