委員長神城涼子

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 あまりの神城の真剣な顔に動かされて、次の休み時間、前の席に座っている松村に声をかけた。 「なんだ・・屑木」  そう言って振り向いた松村の顔は、  神城の言う通り、  確かに穴が開いているように見えた。  言い方を変えれば、そこには人としての魂が存在しない、そんな風にも思えた。  気のせいか、とも思い目を凝らして見る。  パッと目にはただの虚ろな顔なのだが、気を抜いて見てしまうと、  そこにぽっかりと穴が開いているように見える。  ずっと見ていると、顔の中に吸い込まれていくような気さえしてくる。  僕は「いや、なんでもない」と慌てて言った。  顔に穴が開いている。つまり、空洞だ。そこに魂の存在がない。  少なくとも、僕と神城にはそう見えたが、他の生徒にはどうなんだろう。  例えば隣の席の奴とか、何も思わないのだろうか?  教師はどうだ?  教師は、授業中、生徒と顔を突き合せている。松村の顔が変だとは思わないのか。
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