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「君たちも、これで分かっただろう。この姉妹はね、僕の妹のサヤカが、たった一度犯した過ちを許さず、こんな仕打ちをしたんだよ。随分とひどいだろ?」
渡辺さんは僕らにそう説明した。
たった一度の過ち・・
それは、何の罪もない伊澄さんの姉を騙し、男に性的暴力をさせたこと。
だが、それを「たった一度の過ち」と言うだろうか。
「あら、それだけで、この女は、こんな姿にならないと思うわよ」
そんな僕の疑問に答えるように、伊澄瑠璃子が言った。
「この女はね、私のレミ姉さんが、その後、どうなったのかを確認しに、山に来たのよ」
このサヤカと言う女は、暴行の現場に居合わせたのか。
性的暴行をされた後、友人だと思っていたサヤカが現れた時、伊澄さんのお姉さんは、何を思ったのろう。そして、そこでどんな会話が交わされたのだろう。
いずれにせよ、その後、お姉さんは、男に殺され・・
いや、待て!
そこにサヤカがいたのなら、男の行動を制止するはずだ。
サヤカは、男の暴挙を止めなかったのか?
まさか、サヤカは、男を止めることなく、そそのかしたのか?
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