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リアナは俺が護る!!
ずっとそう思って生きてきた。
騎士になるつもりは毛頭なかったが、妹の為になら強くなりたいと願った。
幼い頃から重いクワで畑を耕したりの農作業で自然と鍛えられていた身体に、独学で学んだ剣術や体術。時には同じ村の友達や、その父親達に相手してもらって腕を磨く毎日。
そのおかげで、俺はいつしか村で1番強くなっていった。
『戦うのならば、よく意味も分からない戦を繰り返す国の為ではなく、妹と村の人達の為に戦いたい』
それが、俺の強く在る理由だったんだ。
そんな俺が、別の理由で剣を振るう日が来るなんて……。
ーーそう。
あれは、17歳の時だ。
リアナが、死んだ。
良くしてくれていた村の人達も、死んだ。
俺が村を留守にしていた数時間の間に、近隣で起きた戦の火の粉が降りかかって、あっさりと……。
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