第二章 ケステル共和国

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全速力といっても、狭い路地裏ではあまりその速さを実現できない。今はとにかく、出来る限りの全速力で走ったのである。しかし、辺りを見回しながら走っていたので、途中で人とぶつかってしまった。 「ごめん!今ちょっと急いでるんだ!!」 「はぁ・・・」 俺とぶつかった人は顔こそよく見ていなかったが、長い銀髪が印象的だった。 その後、走りながら俺は考える。 さっき男が刀を抜こうとした時、黒い煙みたいなものが噴き出て・・・あれに感電したといっても間違いないはなさそうだよな。でも、あの刀が原因だとすると、普通じゃないよな・・・ 考え事をしながら走っていた訳だが、ここでグズグズしている暇はない。 「とにかく、ミヤを探さなくては!!!」  “このままではミヤが危ない”と思うと、不思議と走る力が出てきた。 なんだか、トウケウ脱出前の猛ダッシュみたいだ・・・ そのような事を考えながら、俺はぜーリッシュの街を走り抜けていく。
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