Story2

2/7
271人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
映画館を出ると、 『真子さん。手、繋いでもいい?』 といいながら優太くんは私の手を取った。 『もう、繋いでるじゃん』 と照れ隠しに返すと優太くんは、 『バレたか。』 と舌をペロッと出した。 next storyに続く… うぅ…、優太かわいいぞっ。 普通、成人男子が舌ペロッとかあり得ないよね。 なのに、何なんだぁ、小動物のような愛くるしさ。 私、もはや狼だよね。 はぁ…それにしても手を繋ぐだけでこんなにドキドキするなんて。 「佐川さん、佐川さんっ。手貸してもらえますか?」 「えっ…私の…手を…?佐藤くんが…私の手を…」 「何、ブツクサ言ってんですか?早くしてください。催事の準備始まりますよ。申し訳ないですけど今日は休憩少し早めに切り上げてください。」 あっ… そういうことね。 手は手でも、そっちですか。 ヘイヘイ、手いくらでも貸しますよ。 2本しかありませんけどねぇ。 何も休憩室にまで言いに来なくてもさぁ。 私はすっかり冷めてしまった残りの抹茶ラテを一気に飲み干すと佐藤くんの後を追いかけた。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!