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こんなに弱々しい峰旗を見るのは初めてだ。
それと同時に、何故か玲司の中がショックという一文字で埋め尽くされる。
「……ずっと、っていつから」
「お前を初めて見た時からだ」
ということは、六年前。そんなにも、長い間自分は気づいていないフリをしていた。六年前ということは、玲司が結婚したときにも想っていたということ。
結婚すると聞いて、峰旗はどんな思いでいたのだろうか。
「……俺が結婚したとき、どう思った？」
「驚いたよ。ちょくちょく相談してくるとは思ってたけど、結婚するとは思っていなかった」
「じゃあ……麻友が死んだときは」
「……弱っている玲司を見て欲情していたのと……正直、チャンスだと思った。もしかしたら、玲司の隣を独占できると思った」
玲司はその言葉を聞いて、頭を抱える。
あんなに親身になって話を聞いてくれたのに。
「もしかして……秋也、俺の話あまり聞いてなかった？」
「……そ……そんなことはないよ」
「正直に言って。どうなの？」
「……ごめん。全く……聞いていなかった。今でも、なにを話していたのか思い出せない」
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