偽りの友情

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 朝。気怠いのを我慢して携帯を確認すると、峰旗からメールが届いていた。 『話がしたい。今日の昼に会えないか?』  これを見た瞬間、心臓がドクンと大きく跳ねた。そして、鼓動が一気に早くなる。それは、このメッセージがどれだけこの後の関係を変えるかを物語っていたからだ。  話がしたいのは、こっちの方だ。 『わかった。どこ?』  そうやって返信する。告白されたのが三日前で、休日にそのメッセージが届いた。ゆっくりしようと思っていたが、どうにもゆっくりできなさそうだ。  日永とも連絡を取れていないし、久しぶりに連絡を取ろうと思っていた矢先にこれだ。  今日、話すべき内容を頭の中で整理する。  すると、すぐメールが送られてくる。 『俺の家だとだめか?』  峰旗の、家。何回か行ったことがあるが、今日は峰旗の家に行く気分ではない。なるべくすぐに済ませたいので、残念ながら断らせてもらう。 『駅前のカフェだと助かる』  カフェの方が時間がかかるかもしれないが、佐野が必ず疑えと言っていたのを思い出し、人目がある場所を選ぶ。
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