偽りの友情

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 数分後。送られてきたのはカフェでもいいと言う内容だった。そこで、時間を指定してからやりとりは終了する。  一応、佐野にも連絡しておいた。場所と時間だけ伝え、返信はあってもなくてもどうでもいい。  コーヒーを準備しながら考える。  自分は、峰旗とどうなりたいのだろうか。  まず、峰旗とセックスができるのかどうかを考える。当然、セックスは最重要項目というわけではないが、恋人関係になるということはそういうことだ。まだ二十代だというのにプラトニックなお付き合いができるはずないだろう。  峰旗に組み敷かれる自分。峰旗を組み敷く自分。  どちらを想像しても、正直できる自信がない。キスならなんとか大丈夫だろうが、舌が入ってくるディープなものは無理そうだ。  なら、峰旗を日永に置き換えてみる。  キスも平気だ。身体を触れるのも平気だし、日永になら組み敷かれても構わない。  実際、キスもちょっとした戯れも嫌悪感を一切抱かなかった。  この違いはなんなのだろうか。  峰旗だって見た目が悪いわけではないし、優しい。性格的にもステータス的にも殆ど差がない二人に違いがあるとすれば年齢くらいだ。なのに、こんなにも違うのはどうしてか。  やはり、自分の中に染み付いた印象なのだろうか。
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