偽りの友情

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 昼。ランチタイムとだけあって人がごった返す中、玲司は峰旗の姿を見つけた。テラス席でコーヒーだけ頼んで、虚空を見つめているように見える。  行かなければいけない。  玲司は覚悟を決めて歩き出す。峰旗に近づいていくたびに鼓動が早くなり、正常な判断ができるのかどうかが不安になってくる。  一一落ち着け。  峰旗と話せる距離になるまであと数歩というところで峰旗が玲司の存在に気づいた。  峰旗が軽く手を上げてくるのを、玲司もいつも通り手を上げて応じる。向かいの席に座ると、峰旗が喋りにくそうに口を開いた。 「……悪いな。折角の休みなのに呼び出して」 「別にいいよ。あ、すみません。アイスコーヒーを一つ」  元気がない峰旗は見たことがないと思いながら、店員に注文する。  店員が遠ざかってから、峰旗が本題に入った。 「……この間はすまなかった。西尾が玲司に好きだと告げているのを見て、俺も言わないと玲司が盗られると思って」 「……盗られるって、どういうこと? 俺、別に秋也のものじゃないと思うんだけど」
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