94人が本棚に入れています
本棚に追加
頭の中が怒りで埋まっていくのがわかる。
峰旗に対しても怒っているが、なによりも腹が立つのは自分に対してだ。どうして、峰旗の本当の姿に気づくことができなかったのだろうか。
怒りを鎮めるために、奥歯をぎりっと噛む。ここで怒りを露わにしても、峰旗に対する怒りが増えていくだけだ。なんとか、耐える。
「……お前は」
「なんだ?」
「俺のこと、好きなの?」
自意識過剰な奴が言うような台詞だが、聞かずにはいられなかった。峰旗の目が玲司のことを見据える。その目には三日前に向けられた欲情が込められたもので、明らかにそこに好意はないと思った。
好意がない、という玲司の読みが当たって欲しくなかったのだが……奇しくも、当たってしまった。
「わからない。でも、お前のことは抱きたいと思う」
「は……」
「これが好きというのかわからない。ただ、エロい目で見ていただけだ。セックスしたいし、ぐちゃぐちゃにしたい」
「っ、おまえ……」
「お前と恋人関係になりたいんじゃないんだ。お前とセックスがしたいんだよ」
「セフレになりたいってことか?」
「……ああ、そうだな。そう捉えてくれて構わない」
最初のコメントを投稿しよう!