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「……俺、マジで馬鹿だわ。紫麻とお前は似ているなんて思ったなんて。違ったな」
「……あのモデルに、抱かれたのか」
「あいつはそんなことしない。ただの友人だ。お前と違ってな」
「……」
今まで普通の友人だったのに、どうしてこんなにも呆気なく終わってしまうのだろうか。
思わず泣きそうになる。
玲司は、もうここにいる意味はないと思った。なので、財布から千円札を取り出す。残っているアイスコーヒーが目に入ってきたが、残したまま席を立つ。
「俺、もうお前の友人でいれる自信ねぇわ。……ただの同僚として接してくれ」
「……ああ」
「日直当番も誰かと交代してもらう。……じゃ」
「待ってくれ!」
立ち去ろうとしたのに、峰旗に手を掴まれる。その掴み方に、思わず悪寒が走った。
どうしてこんなことをする?
疑いの目を峰旗に向けると、峰旗がありえないことを言ってきた。
「最後に……一回だけキスをしてくれ」
「……は?」
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