偽りの友情

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 見た目からして、かなり清純でそういうことには一切興味ないと思っていたが、逆だった。一体、過去にどんな出来事があってこんなに歪んでしまったのか。 「……あんた、過去なんかあったでしょ」  佐野が峰旗のことを睨むようにして見ると、峰旗が図星だとばかりに目を逸らす。  一一当たりかよ。  つくづく、人間は面倒だと思う。  自分の欲望のままに生きていて、思い通りにならかったらすぐ生きる意味を失う。そして、親が苦労してこの世に生を受けたのに、少しのことが原因でこの世からいなくなる。  佐野は、なんとなくだが峰旗が死んでしまうのでないかと思った。 「中学生のとき、俺の親が離婚して新しい母親がやってきた」 「……」 「かなり若くて、三十代前半で父親と一回り以上も年が離れていた。だから、再婚するなんておかしいと思ってたんだが……新しい母親は、俺目当てだった」 「は?」 「脅されたんだ。もし私を抱かないなら別れた母親を殺すってな。中学生になってれば死の意味も理解してるだろ? だから俺は、新しい母親に身体を差し出した」 「……」 「それで、よくわからなくなったんだ。セックスとか好きとか、そういうのはどうしてやるんだろうって思った。そこから俺はどんどんおかしくなって……言えないくらい悪いことをやった」 「人の彼女奪ったとか?」 「……ああ」 「……正解かよ」
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