偽りの友情

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 峰旗は尚も続ける。どうやら、新しい母親が峰旗を狂わせてしまったらしく、セックスとかそういうことがなんだか一切わからなくなったようだ。  そして、今の市役所に入ると玲司がいて、あまりにも綺麗だったから自分の本当の姿をさらけ出せなかった。  玲司に思いをぶちまけたあの日の前日、久しぶりに新しい母親に会い、無理やり不可抗力で抱いたのだとか。縛られて拘束され、精力剤を飲まされたらしい。それで正常な判断ができなくなり、玲司に言うつもりがなかったことを言ってしまったのだとか。  それらを聞いて、佐野はなにを言えばいいのかわからなくなった。  あまりにも峰旗の過去が濃すぎて、頭が真っ白になる。 「あんた、マジかよ」 「本当だ。……正直今も、その影響が残っている。玲司を見ると……あいつを傷つけることしかできない」  峰旗は、好きということがわかっていないということか。  本当は玲司のことが好きなくせに、それを理解していない。理解していないからこそ、玲司のことを傷つけた。そして、日永のことも。  一一本当、腹が立つ。  自分ならまだしも、玲司と日永を傷つけたのは許せない。  特に親しいというわけではないが、なんだかんだ言ってあの二人には感謝しているのだ。  玲司は、捻じ曲がっていた自分を直してくれた。更生させてくれたし、口の悪い自分を忌み嫌うこともなく普通に接してくれている。
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