偽りの友情

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 日永が微笑混じりにそう言うのが聞こえた。優しくなんかない、と心の中で言う。  ここぞとばかりにこうやって日永を利用してしまった。  そして、全く関係ない佐野まで巻き込んでしまった。あの男のことだから、なにか自分たちに負い目を感じているはずだ。  自分は周りに迷惑をかけてばっかりだ。それなのに、周りを助けてやれていない。  それは、かなり失礼なことなのではないかと思う。  だからと言って、自分になにができるのかわからない。  できることなんて、目の前にいるこの男の願いを聞いてやれることくらいだろうか。 「玲司、さん」 「ん?」 「こんなときに申し訳ないんですが……三日前の続き、話してもいいですか?」  日永が玲司の身体を自分から剥がし、三日前の話の続きをしたいと言う。三日前というのは玲司が日永にならなにをされても許せると言った日だ。  玲司は、ゆっくりと頷いた。
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