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おれは仲間と共に村々を襲った。
男を殺し子を殺し女を犯して殺して回った。
憲兵に追い掛けられれば、仲間を見捨てて一人で逃げた。そして違うところで同じようなことをしている奴等に加わり同じことを繰り返した。捕まりそうになれば仲間を犠牲にして逃げた。その繰り返しだった。
いくら盗んでも殺しても良心の呵責を感じることは無かった。悪行に対する一種の快楽も無かった。
ただ、罪を犯しているという認識のみ有った。自棄を起こしていた訳でも無く、何かに絶望していた訳でも無い。漠然とした感情の中で呼吸をするがごとく罪を重ねた。
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