花言葉

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今日子と加奈は、駅の階段を降りて、居酒屋へ行こうとしていた。 今日子がハッと、自転車の存在に気付いた。 飲酒しての自転車は、犯罪。 「加奈ごめん、今日あたしアルコール抜きで!」 と笑いながら言うと、 「何それ~!」 と加奈も笑った。 そして、今日子の自転車の所に行くと、妙なものが置いてあった。 自転車のサドルに、一本の黄色いバラが置いてあった。 「え、何これ…。」 それまで楽しかった雰囲気が一変した。 加奈は、恐る恐る、バラを手に取り、近くの草むらに投げ捨てた。 「キモすぎでしょ、誰なのこんなことする奴…。」 せっかく今日子の家に近い駅まで来てもらって、このまま加奈を帰すのは 悪いと思ったので、予定通り居酒屋へ行った。 「今日ね、朝、変なメールが会社のアドレスに来てたの。」 今日子は、加奈に打ち明けた。 「なんていうメール?」 「置いておきます、ってタイトルで…メールは開かないで削除したけど。」 加奈は、ビールをぐっと飲みこんでから、言った。 「まあ色んな奴がいるね!気にしないことだよ。」 今日子は、自分だけアルコールを飲み、そう笑う加奈に少し苛立った。 「他人事だと思ってる。」 加奈は、まあまあ、と今日子をなだめ、枝豆をつまんだ。
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