7人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの父親に自分の人生を決められるのが嫌で、結構精神的なダメージがデカかったんだと思う」
「………なるほどね。聞いちゃいたけど、お前の親父さんはすごいね、色んな意味で」
クレイグは自分で話していて相当落ちたらしい。眉間のシワが取れない。
「………その当時、この夏にピアーズと一緒に一泊の旅行に行ったって話してあると思う」
「うん、聞いたね。そこでピアーズのことを愛してるって気づいた?」
「……ああ」。さらに付け加えるとすれば、…このあと、実は一回、冬だったな。俺は欲望に任せてピアーズを抱いてる。お前らには言ってなかったけどな」
「…あー、なんていうか、もう本当に精神的にきてたんだな。そういや一時期、ピアーズの様子がおかしい時があった気がするよ。お前はいつも通りだったから気のせいかと思ってたけどね」
廊下から賑やかな三人の声が聞こえてくる。
「上がってきちゃったねたな。話の続きは、どうする?」
「とりあえず入ろう。一回シャワーでこの気持ちも流したい。いいタイミングだ」
クレイグは立ち上がった。そしてベッドに置いていたバスローブとタオルを手に取る。コンラッドも同じく立ち上がった。
「なら続きはバスルームで、だな」
「妙なニュアンスつけんな」
「俺はピアーズじゃないよ」
「………おい、それはたちの悪いジョークだ」
クレイグはコーヒーを飲みながら、コンラッドはベッドに寝転がって天井を見つめながら、三人が部屋に到着するのを待った。
最初のコメントを投稿しよう!