3366人が本棚に入れています
本棚に追加
/757ページ
そこまで来て真っ青になったのは爪楊枝ことセザールだ。
「…っ!え…、…っ?!あのっ、お待ちくださ…、ぎゃふっ!」
手形の名義を見て、やっと己の犯した大失態の数々に気が付いたらしく、後方から爪楊枝のひっくり返った声がかかった。直後にすっころんだような音がしたが、構わずリュシアンたちは商業ギルドを後にした。
「ぼっちゃんも人が悪いなぁ、あいつ真っ青だったよ」
「いい薬だったんじゃないの?なんかもう面倒臭かったし…」
アンジェラがいなかったら、間違いなく帰ってたしね。
商業ギルドも、人材が上からおかしくなっていってるな。歴史を重ねた組織ではありがちといえばありがちなんだけど、本当にアンジェラのような人達に頑張ってもらいたい。
さて、次は冒険者ギルドだ。
実のところ一番楽しみにしてた。もし一人立ちするなら、手っ取り早いのは冒険者である。リュシアンの立場がこれからどうなるかはわからないけど、おそらく一番しがらみを気にしなくていい職業だろう。
その分、危険も多い仕事だといえるけれど。
最初のコメントを投稿しよう!