冒険者ギルド

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 後方から、いきなり野太い声がした。振り向くと、そこには四人組の筋肉隆々の男たちが立っていた。さっきまで広く感じたギルド内が、一気に狭くなったような気がする。先頭に立っている男は、リュシアンと同じくらいの大きさの大剣を肩にかけ、傷だらけの金属製の鎧を身に着けていた。  まじか、テンプレ来ちゃった? 「あら、ジュドじゃない、なによ今日は早いわね」 「まあな、思ったより簡単に片付いたからな。また買い取り頼むわ」  ジュドと呼ばれた大男は、手にもった麻のような目の粗い布で出来た大きな袋を前に差出した。なんだろうクエスト帰りだろうか?戦利品の換金に来た様子だった。 「了解、でもこの子たちが先ね。先客だから」  猫耳お姉さん、こっちに話し振るのやめて。  案の定、戦士っぽいお兄さんはリュシアンをギロリと睨んだ。野太い腕が、ぬうっとこちらに伸ばされた。  思わず身体を引きそうになったが、ふとジュドの顔を見上げて留まった。 「おう、なんだそうか」  岩のようなごつい手で、ガシガシとリュシアンの頭を撫でた。  あ、頭がもげる…… 「じゃあ、酒場で一杯やってるから、終わったら呼んでくれ」  そう言ってパーティは去っていった。  テンプレは来なかったね、普通にいい人だった。なんというかちゃんとしてたからね、ほら目がイっちゃってないというか、まともな感じがしたから。  感覚的なことなので言葉では難しいけど、だから護衛の人たちも動かなかった、みたいな。 「なかなか肝が据わってるね、君」  すると、また違う方向から声がした。男の人の声だ。  冒険者とは違う雰囲気の、どちらかというと貴族の優男といった印象の青年が立っていた。
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