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「サブマスター、お帰りなさい。ギルマス、待ってますよ」
猫耳の窓口嬢のおかげで、彼がサブマスターだということがわかった。にこやかに彼女と一言二言話をすると、この場を立ち去るような仕草をみせて、思い出したようにリュシアンにも笑顔で会釈した。こちらも軽く会釈して、窓口の彼女の方へ戻ろうとしたのだが。
「君…?すまない……ちょっと、失礼」
リュシアンと目が合うと、青年はいきなり驚いたような顔をして顔を近づけてきた。思わず仰け反るように顔を背けたのを、強引にがしっと頬を挟み込んで穴が開くほどジッと凝視された。
え、なに!?なんなの…この人。
いくらイケメンでも、男のアップはいらないデス。
「ぶしつけな真似を…、申し訳ありません」
ざわっと、周囲の警戒が動いたのを感じたのか、青年はすっと身体を離すと丁寧に頭を下げて謝罪した。けれど、その視線はこちらに固定されたまま動かない。すぐに口を開こうとして、わずかに躊躇して何かを考えている様子だったが、ようやく小さく頷いてリュシアンの肩に手を置いた。
「すみませんが、ギルマスに会って頂けますか?」
え…?ギルマス、ってギルドマスターだよね、なんで??
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