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まるで、初めから我が手に合った様に馴染む
心地良い重量で、日本刀に似た形の漆黒の刃
魔剣・黒紫煉(こくしれん)と名乗ったような気がする。
宜しく頼むと両手で剣を強く握りしめて念じた。
抜き身の剣だけでは、不便だと思った瞬間跡形もなく消える剣
便利の様な咄嗟の時に困る様な不思議な剣を俺は得た。
『我はシミズを主と認める。我と共に戦え、さすれば帰れるだろう』
静かに淡々と脳裏に響く声音には、隠し切れない殺気が含まれる。
これが、魔剣の声なのかも知れないが、俺にしか聞こえないらしい。
だが、俺をご指名しているのは確かだ。
シミズは俺の名だからだ。
いったい何と戦えというのだろうか?
どんどん胡散臭くなるばかりで、
俺はただ悪夢を見ているだけか?
そんな矢先に針の雨が降り注ぐ。
さっき消えた剣が頭上で旋廻し、俺を守ってくれた。
この魔剣は、殺気を自動察知するらしい。
「見つけた!みつけた!」
「よこせ!よこせ!」
「お前には勿体ない!!勿体ない!!」
頭上から威圧的なハスキーボイスが響く。
見上げると蜂のような容姿の女体が2体怪しく微笑んでいる。
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