何度も、何度も。

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「それは……魂も、ですか……?」 『当たり前でしょう。魂が違えば、それは別の人間と同じです。魂事含めて、来世でも彼女として生きてもらいます。しかし……』 「しかし……?」 『彼女が本来死ぬはずだった年齢、18歳で、彼女には何があっても死んでもらいます』 「……」 僕は言葉が出なかった。 それはつまり、彼女は生まれ変わる前から、すでに運命を決められているという事だ。 来世での運命を。 『貴方にとっては辛い事かもしれませんが、彼女が貴方を思い出すまで、封印された前世の記憶を思い出すまで、彼女には同じことを繰り返してもらいます』 「え……?同じことを繰り返すって……?」 『生まれ変わって、死んで、生まれ変わって、死んで、を永遠に』 「なんで……そんな……それってつまり、彼女を運命の輪の流れから外すって事、ですよね」 『ええ、そうですよ。彼女から見れば、呪いを掛けられているのと同じですね』 「でも、記憶は封印するんですよね……?そんなの、無理に決まってるじゃないですか、人間が自力でかけられた記憶の封印を解くなんて!!」 『ですから、貴方達にチャンスを与えます』 「チャンス?」 『先程、貴方には地上への干渉を禁じましたが、5年に1回だけ地上への干渉を許します。その際、彼女と会っても構いませんが長時間の接触は禁じます。もってせいぜい5分。その間なら何をしても構いません。ただし、自らの正体を明かすのと奇跡の力を使うのは禁じます』 なんて言われた。 その後神様に無理矢理約束の印を植え付けられてから、彼らは天界に帰っていった。 これが、もっとも辛くて過酷な処分だった。 僕はただ見守ることしか出来ず、彼女はただ運命に翻弄されるしかない、という。 そして、現代――。 あれから街の様子はすっかり変わってしまい、今は高層ビルやマンションなんかがたくさん建っていて、技術もめまぐるしく進化していき、「平成」と呼ばれる時代。 その街中に、僕は立っていた。 そう、今日は5年に1回の地上旅行の日。 まあ、本来の目的は彼女に会う事なんだけど、なんせ彼女と会えるのはたったの5分だけだ。 一日は24時間あるのに、あと23時間55分暇じゃないかと気づいた僕は、こうして観光旅行も兼ねて、地上に来ることにしたのだ。 とは言っても、主に彼女のストーカーをするくらいなんだけど。
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