白骨に思う

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私が兄が再婚する時、兄に問い詰めた。何故彼女では無く別の人と結婚するのかと。 「俺は彼女の事を好きになる事は無い。俺は彼女に恩返しー返礼しか出来ない」 よく分からない事を言う兄である。分かるのは兄が彼女の事を全然好きじゃないって事だ。そう言うと、兄は苦笑いを浮かべて困ったように言った。 「恋愛感情という意味で無ければ、結構好きなんだけどな」 恋愛感情を向けてくる相手には、寧ろ残酷な発言である。我が兄ながら酷い。相手に言っていないだろうな、と問えば「言ったけど」と返ってきた。 「好きな人には幸せになって欲しいだろう?」 そんな当たり前の事を言われては何も言えなくなってしまう。私は黙って兄の脛を蹴った。絶叫が聞こえたが無視する事にして、眠る姪を見た。この騒がしい状況でも眠っているとは大物だな、と全く関係ないことを考えて怒りを鎮めた。
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