あなたという人

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あなたは言ったね。 私だって甘えたいんだ。 ひとりで解決できるし大概のことは音楽を聴けば 大丈夫なんだって。 でもあなたは言ったね。 君に甘えたいんだって。 でも私の理性がそれを 抑えてしまった。って。 私を好きでいてくれているあなたに、 付き合えないことがわかっているあなたに 私が辛いからって甘えられないよって。 僕は改めて思った。なんて素晴らしい女性なんだろうか。 あなたになら裏切られてもいい あなたになら弄ばれてもいい。 あなたが見せてくれた一夜限りの一瞬の弱さは 紛れもなく本当に純粋なあなたの気持ちだったのだから。 僕は一生あなたに想いを寄せるでしょう。 その一生がたとえ無駄でも、 あなたは別の誰かに僕に見せた以上の弱さを見せたとしても 僕はあなたを愛しているよ だから言ったんだ。 今日ぐらい、いいじゃないか。 それぐらい甘えてくれたっていいじゃないか。 僕に甘えてくれたっていいじゃないか。 君は隣に座りしばらく黙って考え込んでいた。 僕は静かに彼女を待ち木々の間から見える月を見ていた。
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