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飛行機に乗るなり、「少し仮眠させてくれ、昨日眠れなかったんだ」と言い出し、用意してきたアイマスクをつけ出す目黒。
「寝不足ですか?私もです」
昨夜、千葉と会って話をしてから、余計にストレスが溜まり感情が高ぶってなかなか眠れなかったのだ。
あくびをする翼を隣から目黒がじっと見つめる。
「な、なんですか」
「ソバカス、ひょっとしてイケメン上司と2人きりの『秘密の出張』だから緊張してたりして」
「別に秘密じゃありませんよね。飛行機はいつも少し緊張するんです」
「そっか。なら」
目黒は翼の手を握り、恋人みたいに指を絡めた。
「チーム長、これはなんですか?」
「ソバカスの不安を少しだけでもなくしたいからさ」
「余計に不安です」
「えーなんでだよ」
「大丈夫です」
手を離して、翼はシートに深く寄りかかった。
すると、アイマスクをした目黒が翼の肩に寄りかかってくる。
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