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「チーム長、重いです」 「え? うそっ、重い?八頭身、いや九頭身だから頭は並の奴より小さいから軽いはず…あっ脳みそが多いから重いのか。ごめんなぁ、あーあ仕方ないかぁ」 ため息をついて頭をもどす目黒。 なんだか、やっぱり変な人だ。 次から次と、ちょっかい出してくるなんて…。 子供みたいだ。 「なあ、千葉と話したか?」 「まあ」 「そっか」 「あれっ、詳しく聞かないんですね?」 「ん? あー、聞いてもらいたいなら、話せば?」 目黒は大きく欠伸をした。 「別に聞いてもらいたくありませんよ。バカみたいな話なんで」 「だろうな」 「だろうなッてなんですか」 平然と言う目黒にムッとする翼。 「まぁまぁ、すぐカチンとなるなよ、ソバカス。ジョークなんだから。で、別れたのか?千葉と」 「はい。きっぱりいいましたから」 徹と結婚するなら尼さんになった方がましだと昨夜翼は徹に言い放ったばかりだ。 「そっか、じゃあ」 座り直してアイマスクを外した目黒。 ポン…と音がしてシートベルト着用のサインが出た。 目黒は隣に座る翼をジッと見つめた。 「な、なんですか?」 「もう、フリーなんだろ? ようやくソバカスには、なんの障害もなくなったわけだよな?」 「なんの障害ですか」 「とぼけんなよ。ソバカス」 膝に置いていた翼の手に目黒が手を重ねる。 「ちょっと、チーム長」 「逃げられないぞ。シートベルト着用のサインだ」 離陸飛行の状態になる機体。 押し付けらるような圧力を感じて、揺れる機体の中で翼は隣の席に座る目黒を見た。
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