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札幌支社に着くと、支社長と、ベテラン営業マンの島根が迎えてくれた。 出してくれた温かいお茶をひとくち頂いたところで、支社長が恐る恐ると言う感じで口を開いた。 「あのぅ…わざわざ、会長のお孫さんでもあられる広域営業のチーム長がいらしたってことは、この支社は…もしかしてなくなるんですか?」 「いえ、そんなことは」 慌てて否定する翼の上を横に座る目黒の声が飛び越えてきた。 「そうなるかもしれません。今の状態ですと8割方なくなりますね。ですが、最終的な判断は取締役会で出されます」 クールな目黒の言い方に支社長と島根が顔を見合わせ落胆したように肩を落とした。 「やはり、そうでしたか」 「で、でもっ、まだ決まったわけじゃありませんから」 前に出るように座り直した翼は、凍てついた空気をなごますように笑顔で取り繕う。 「ほぼ、決まりですがね」 わざわざ冷たく言いなおす目黒を翼はキッと睨みつけ他の話題を振った。 「あの、それより、早速ですが、営業成績が右下がりの原因って心あたりありますか?」 「それは…」 支社長が口ごもる。 「何かあるんですね?」 「はぁ…」 言いたくないのか、ため息をついたあと口を閉じる支社長に代わって島根が口を開いた。 「私のせいなんです」
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