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ベテラン営業マンの島根は、札幌支社1位の営業成績を上げる営業マンだ。
今週末に定年を迎える島根は、
「私が悪いんです。申し訳ないです」
と翼と目黒に向けて頭を下げた。
島根の話によると、島根の担当していた営業先が相次いで取り引きを縮小あるいは辞めているらしい。そのことが支社の業績不振に繋がっていると話した。
来る前に調べて、営業担当が島根だった大口の居酒屋チェーン店やスーパーから取り引きがなくなっているのは分かっていた。
「島根さんのせい? それは違うと思いますよ。営業担当が島根さんでは無くなってから、取り引き中止のパターンが多いようですから」
翼からの質問に困ったように島根は頭をかいた。
「…きちんと次の担当に引き継ぎが出来ずにすみません」
「いやぁ、こうなったら島チャンが、あいつをかばうことないよ。俺らもこの支社が無くなったら転勤か整理解雇になっちまうよ。悪いのは、立川ですよ。立川が担当になった途端、取り引き中止が増えたんだから。絶対に立川のせいだよ」
吐き捨てるように言う支社長。
どうやら、うっぷんが相当溜まっているようだ。
「いや、立川のせいばかりではないですよ。あいつは一生懸命やってますから」
島根は現在の担当者である立川のフォローにまわるような言い方をした。
「そうですか。それなら、実際に支社長の言う通り、この支社を潰す原因が立川さんにあるのかどうか確かめに行きましょうか」
すくっと腰を上げる目黒。
「はあ、今、立川に連絡取ります」
スマホを出して連絡しようとする島根に目黒はストップをかけた。
「私たちが会いに行くことは内密に。普段通りの姿が見たいので、現在いる場所だけ聞いてください」
「はあ…わかりました」
島根は頷いてから立川に電話をかけた。
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