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立川のいる場所へ営業車で向かいながら、 翼は運転する目黒に聞いた。 「立川さんって、どんな感じの人でしょうかね?」 「東大卒で入社した男で、2年目だ。顔はコレといった特徴もなくメガネをかけている。大人しい奴らしい」 既に外見まで調べている目黒に翼は感心したような視線を向ける。 「さすが、チーム長ですね。既に立川さんについてリサーチ済みなんですね?でも、東大卒で営業かぁ。珍しいですよね?」 「最初は、もちろん商品開発センターへ行ったさ、だが、1年目に母親が倒れて北海道に帰ることになった。で、今の札幌支社に配属されたらしい」 「それで、やむなく営業職に就いたんですね。それじゃあ畑違いで立川さんは苦労したんでしょうね?」 「さあな。立川に会えばわかるだろ」 仕事の時は途端に厳しい顔つきになる目黒。 「ソバカス。俺の顔を見過ぎだな。どうした?何か話があるのか?ん?」 どうやら無意識のうちに翼はハンドルを握る目黒の横顔をジッと見ていたようだ。 「み、見てませんよ。別に」 「見てたよ。もう俺を好きになったのか?なんだか速いな。まーー仕方ないか俺みたいな男からアプローチされたら、すぐ落ちない方がおかしいよな?」 冗談なのか本気なのかわからない言い方をされて翼は慌てて窓の外へ目をやる。 「まっ、まだ落ちてません」
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