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「まだ?じゃあ、いずれは、落ちそうなんだな。あー早く落ちてこないかな? 楽しみだなぁ」 「お、落ちませんよ。そもそもチーム長は私のタイプじゃないので」 翼は興奮ぎみに否定する。 「タイプ? タイプってどんなのだよ。俺みたいな男がタイプじゃないなら、俺みたいな男の反対がタイプなんだよな? じゃあ、イケメンじゃなくて、背が低くて、優しくなくて色気もなくて、仕事も出来ないビンボーな男ことか?ソバカス、お前って、すごく趣味がわるいな」 「違いますよっ、真面目で普通で変じゃなくて誠実な男性ですよ」 ムキになって訂正する翼はルームミラー越しに自分を見た目黒の視線を敢えて無視した。 「真面目で普通?つまんないだろぉ、そんな男じゃ」 バカにしたように目黒が笑った。 「けっ、結婚するなら、真面目で普通な人じゃないと疲れちゃいますからね」 「真面目で普通だと夜もつまんなそーだぞ?」 さっきまでのキリッとしたバリバリ仕事をこなしそうなザ・ビジネスマン目黒の表情はどこに消えたのだろう。 今の目黒は、ただの……。 「あーそうか。夜、疲れないためには、つまんない真面目男のがいいって訳だな?ソバカス、ある程度満たされないと余計に疲れるぞ?」 「チーム長、いい加減にして下さいよ。仕事中ですよ?」 「移動中だから構わないだろ?」
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